製品案内

ボールタービンの構造

吸い上げる

吸い上げる

斜めに大きく開いた角溝が、横方向に強力な吐出流を作りだして沈降物を吸い上げます。
STEP01
泡立たない

泡立たない

ボルテックス(渦)が発生しにくい形状により、高速回転させても空気の巻き込みが抑制されます。また、傾斜した溝が泡残りを防止します。
STEP02
高粘度対応

高粘度対応

強力な吐出流と吸い上げ流が、高粘度液体を隅々まで撹拌します。
STEP03
洗浄カンタン

洗浄カンタン

シンプルな形状により、洗浄性に優れています。
STEP04

エムレボ2.0 「ボールタービン®」とは

エムレボ2.0 「ボールタービン®」は、当社旧製品である羽根のない撹拌体エムレボの泡立ちにくい特長をそのままに、
撹拌力と沈殿物の巻き上げを強化した製品です。

ボールタービンの特長

【強力な巻き上げ】
斜めに大きく開いた角溝が、溶液を横上方向に吐き出すことで強力な巻き上げの流れを作ります。
【泡立ち抑制】
波立ちや渦巻き(ボルテックス)が発生しにくい形状により、高速回転させても空気の混入が少ないため、泡立ちを抑えた撹拌が可能です。また、傾斜した溝が泡残りを防止します。
【高粘度対応】
高速回転させることで強力な吐出流と巻き上げ流を発生させることができ、高粘度溶液を隅々まで撹拌します。
【洗浄性・安全性】
通常の撹拌羽根のような出っ張りがないため、洗浄が容易で安全です。
M-Revo® 2.0 「ボールタービン®」は、容器の底側に中心から放射状に設けられた複数の溝と、
この複数の溝が接続しないように設けられた空間と、この溝の反対側に設けられた回転軸を接続する部分とで構成されています。
なお、複数の溝は中心部から外周に向かって斜め上方に傾斜しています。

ボールタービンの構造

エムレボ2.0 「ボールタービン®」は、容器の底側に中心から放射状に設けられた複数の溝と、
この複数の溝が接続しないように設けられた空間と、この溝の反対側に設けられた回転軸を接続する部分とで構成されています。
なお、複数の溝は中心部から外周に向かって斜め上方に傾斜しています。

ボールタービン 撹拌の原理

ボールタービン®を溶液の中で回転させると、溝の側面が溶液に遠心力を与え、ボールタービン®の横方向と上方向に溶液が吐き出される。
ボールタービン®の下側中心の空間に負圧が発生し、吐き出された溶液分だけ容器の底の溶液が吸い込まれて巻き上げ流が発生する。
ボールタービン®から吐き出された溶液が容器の中を循環することで、容器の液面近くから容器底まで効率よく撹拌が行われる。

ボールタービン 強力な巻き上げ

エムレボ2.0「ボールタービン®」による沈殿解消の仕組み
容器内に沈殿した粒子は、ボールタービンによる巻き上げの流れによって上向きの抗力を受けます。この抗力は、粒子が球形である場合、粒子の投影面積S=πr^2に比例して大きくなります。(r:粒子半径)また、粒子は下向きの重力を受けています。この重力は、粒子が球形である場合、粒子の体積V=(4/3)πr^3に比例して大きくなります。
この粒子に作用する上向きの抗力と下向きの重力の関係が、抗力>重力となった時に粒子は容器の底から巻き上がります。(注1)
なお、この時の粒子の巻き上がりの容易さは、上向きの抗力が粒子半径の2乗に比例し、下向きの重力が粒子半径の3乗に比例することから、粒径が小さく細かい粒子ほど容易になります。また、比重が小さいと下向きの重力は小さくなるので巻き上げに有利になります。
具体的に、どの程度の粒子であれば巻き上げられるかは、なかなか一概には言えないのですが、例えば、粒径が500μmを越える粒子の場合、比重がちょっと大きくなる(例えば1.5)と巻き上げはとても厳しくなります。また逆に、粒径が100μm未満の粒子では、金属粉末のような比重が大きいものでも容易に巻き上げられることが多いです。

注1:実際には、溶液(溶媒)の比重や粘度、粒子の比重や浮力、沈殿している粒子の凝集の力や凝集することで投影面積が小さくなること、また、巻き上げの流れの速度(流速)などの様々なパラメータによって決まるため、やってみないとわからないことが多いです。

巻き上げの流れと回転数の関係
沈殿した粒子の解消には、巻き上げの流れの速度(流速)が速いと有利になります。このため、ボールタービンの回転数を上げて巻き上げの流速を速くすることは、沈殿解消の有力な手段の一つとなります。ただし、ボールタービンの回転数を上げ過ぎると、旋回流(溶液が容器内をグルグル旋回する流れ)が強くなりすぎて、巻き上げの流れが負けてしまい、粒子が上がってこなくなるため注意が必要です。
なお、撹拌において溶解や分散を効率的に行うには軸流と呼ばれる溶液の上下の流れが重要ですが、この軸流も旋回流が強すぎると相対的に弱まってしまい、溶解や分散がうまくいかなくなります。

これを避けるための撹拌での一般的なノウハウとして、以下の方法で旋回流を抑えることが可能です。
 a)撹拌羽根の配置を偏心させる(容器の中心からずらす)
 b)撹拌羽根を斜めに設置する
 c)邪魔板(バッファープレート)を設置する
また、角形の容器では、容器の角が邪魔板と同様の働きをするので、円筒形容器と比較して旋回流を抑えやすいです。これらの旋回流を抑えるための工夫は、ボールタービンを利用した沈殿物の巻き上げでも有効な手段となりますので、ボールタービンの回転数の調整と組み合わせてご検討ください。

ボールタービン 泡立ち抑制

撹拌時の泡立ちを抑える
撹拌時の泡は、
・塗料や樹脂などの塗布材料ではピンホール発生による製品の不良
・医薬品や食品の製造ではタンクを小型化できないことや計量不良
・化成品や電子部品の製造では溶解不良や分散不良による製品歩留まり低下など、撹拌後の溶液に様々な問題を与える原因となります。

一般に、撹拌時に泡が発生する原因は、
 1)撹拌時の液面の波立ちや渦巻き(ボルテックス)などの液面の乱れによる空気の混入
 2)撹拌羽根によるキャビテーション
 3)粉末状溶質に含まれる空気や溶質投入時の空気の混入
 4)溶液の化学反応などによる気体の発生
 などになります。

この中で、3)と4)は撹拌が原因ではないこと、また、2)はディスパー翼やホモミキサーなどの高速回転させる撹拌羽根で多発する泡立ちの原因であり、ボールタービンを含めた一般の撹拌羽根ではキャビテーションが発生するほど高速回転させないことから、あまり問題になることはありません。
このため、撹拌時の泡立ちの抑制は、1)の液面の波立ちや渦巻き(ボルテックス)などの液面の乱れによる空気の混入をいかに少なくするかに係っています。

ボールタービンによる泡立ち抑制
ボールタービンは、液面側に溶液を撹拌するための溝を設けない形状となっています。この特長的な形状により液面の側の溶液の乱れを少なくし、高速回転させても液面の波立ちや渦巻き(ボルテックス)などを抑えて空気の混入を防ぐことが出来ので、泡立ちを抑えた撹拌が可能となります。

撹拌での泡立ち抑制のための一般的なノウハウ
泡が発生する主な原因は上記の1)~4)ですが、2)は撹拌羽根の変更や回転数の調整により、また、3)は溶媒に溶質をそっと投入できるように導入管などを利用することで低減可能です。
また、1)の液面の乱れの防止は、「ボールタービン 強力な巻き上げ」でも説明した撹拌の一般的なノウハウでも抑制可能です。
具体的には、
 a)撹拌羽根の配置を偏心させる(容器の中心からずらす)
 b)撹拌羽根を斜めに設置する
 c)邪魔板(バッファープレート)を設置する
また、角形の容器では、容器の角が邪魔板と同様な働きをするので、円筒形容器と比較して液面の乱れを抑えやすいです。
これらの泡立ちを抑制するための工夫は、ボールタービンを利用した泡立ち抑制でも有効な手段となりますので、ボールタービン使用時にも組み合わせをご検討ください。

エムレボ2.0 「ボールタービン®」 撹拌の原理

1
ボールタービン®を撹拌容器の溶液の中に浸すと、ボールタービン®の溝に溶液が入り込む。
2
ボールタービン®を回転させると、溝の側面が溶液を押し始めて遠心力を与え、ボールタービン®の外側に向けて溶液が吐出する。
3
ボールタービン®の下側中心の空間に負圧が発生し、吐き出された溶液分だけ撹拌容器の底の溶液が吸い込まれて巻き上げ流が発生する。
4
ボールタービン®の斜めに傾斜した溝から吐出される溶液は、溶液を斜め上方に吐き出すと共に、吐出後に容器の壁面に衝突してさらに上下に移動する。
5
ボールタービン®を溶液の中で回転させ続けることにより、溶液の吐出と吸入が連続して発生し、容器の液面近くから容器底の隅まで効率よく撹拌が行われている。

撹拌開始 10秒後

4枚羽根
4枚羽根
ボールタービン
ボールタービン
ボールタービン紹介
ボールタービン紹介
泡立ち比較試験1で 回転数600r.p.m.で撹拌した様子です。
 左側がボールタービンφ48、右側が4枚羽根ピッチドパドルφ50
 溶液は水+食器用洗剤+PVA+グラニュー糖で総量2000ml
 撹拌時間は30分(動画上18秒付近)で撹拌後の泡立ちを比較しています。
 動画上で36秒~が撹拌後の泡立ちの様子となります。
 4枚羽根では撹拌後に300ml程度の泡立ちが残りますが、ボールタービンでは泡立ちがほとんどありません
ボールタービン紹介
泡立ち比較試験2で 回転数600r.p.m.で撹拌後、800r.p.m.に回転数を上げて撹拌した様子です。
 左側がボールタービンφ48、右側が4枚羽根ピッチドパドルφ50
 溶液は水+食器用洗剤+PVA+グラニュー糖で総量2000ml
 撹拌時間は600r.p.m.で30分撹拌後、800r.p.m.に回転数を上げてさらに10分撹拌(動画上18秒付近)した後の泡立ちを比較しています。
 動画上で50秒~が撹拌後の泡立ちの様子となります。
 4枚羽根では撹拌後に800ml以上の泡立ちがありますが、ボールタービンでは泡立ちがほとんどありません

ボールタービン 高粘度対応

高粘度溶液の撹拌
一般に、高粘度溶液の撹拌では、ディスパー翼(円板の円周にノコギリ状の歯がついた撹拌羽根)やアンカー翼(錨状の撹拌羽根)を用いることが多いです。
ただし、ディスパー翼は、高速回転で発生する強い剪断(せん断)の力による溶解促進や乳化は得意ですが、溶液全体の均一化や分散する撹拌は不得手です。
また、アンカー翼は、容器の形状に合わせた大きな撹拌翼により容器内の溶液をゆっくり大きく撹拌することは得意ですが、容器に合わせた形状のアンカー翼が必要で、撹拌用モーターに大きなトルク(羽根を粘度のある溶液内で回転させる力)が必要で汎用性に劣ります。

ボールタービンによる高粘度溶液の撹拌
ボールタービンは、高粘度溶液内で高速回転させることで強力な吐き出しと巻き上げの流れを作ることができ、高粘度液体を隅々まで撹拌することが可能です。